出版物の信頼性を守る「最後の砦」
- 校閲
出版物の信頼性を守る「最後の砦」
- 校閲
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- 職 種
- 技 術 - 支える -
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- 所属部署
- 校閲第一部
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- 社 歴
- 校閲第二部 → 校閲第一部
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- 入社年度
- 2015年入社
INTERVIEW
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- Q1 学生時代はどんなことをしていましたか?
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辞書にどっぷりとハマり、古本屋を巡って国語辞典や漢和辞典を買い集めるのが日課でした。「辞書研究会」というサークルを立ち上げ、大学内で使われている独自の用語を集めた辞書を作ってみたりもしました。
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- Q2 どうして講談社を選びましたか?
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本作り、そして辞書にかかわれる仕事を探すうち、校閲という道があることに思い至りました。講談社は校閲者を新卒で採用する数少ない出版社で、迷わず志願。面接で感じた居心地のよさも大きな理由のひとつです。
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- Q3 講談社はどんな会社だと思いますか?
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一言で言えば「寛容」でしょうか。どんな人でも受け入れる土壌があり、様々なことに挑戦できて、多少の失敗も次に活かす糧にできる環境だと思います。歴史ある会社で、先輩方の経験や充実した蔵書も大きな資産です。
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- Q4 今、どんな仕事をしていますか?
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校閲とは、ごく大雑把にまとめれば、「本の試し刷り(「ゲラ」と言います)を読んで、間違いを探す仕事」ということになるでしょう。ゲラを読み、不審に思われる箇所があれば、訂正の提案をしたり、本当にこれでいいかと念押ししたりします。
ひょっとすると、言葉や事実関係の誤りを見つけては一刀両断にビシバシ赤字で修正をしていくというイメージを抱かれているかもしれませんが、それは違います。ちょっと変わった表現であっても、著者に何らかの意図があるのかもしれない。事典にはこう書いてあるけれども、最新の学説では否定されているかもしれない。必ず複数の辞書・資料に当たって、悩みに悩んだ上でゲラに指摘を書き込みます。いや、悩んだ末に、結局何も書き込まないことの方が多いかもしれません。ここが非常に難しく、しかし面白いところでもあります。
本の中に一部でも間違いがあると、その本全体、あるいは出版社そのものの信頼が損なわれてしまうかもしれません。それを食い止める「最後の砦」のつもりで、日々慎重にゲラと向き合っています。
一番印象に残っている仕事ストーリーには関係ないけれど
1980年代が舞台の小説で、登場人物のせりふに、21世紀に入ってから使われ始めたと思われる単語が出てきました。その語が当時一切使われなかったという証拠は当然ありませんし、そもそもフィクションだし――。悩みましたが、いろいろな辞書やデータベースを漁った上で、修正を提案することにしました。出来上がった本では、その単語は使われていませんでした。話の筋には全くと言っていいほど関わらない箇所でしたが、作品のリアリティに少しは貢献できたかなと、ほっと胸をなで下ろしました。
とある1日の働き方
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子供を保育園に送り届け、出社。すぐにゲラを読み始めます。
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社食が混む前に、少し早めの昼食。
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調べ物のため、地下の資料室へ直行。テディベアの歴史、腎臓の糸球体の働き、サッカーのルール……調べることは多岐にわたります。
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編集者とスケジュールのやりとりをしたりしつつ、ゲラを読み進めます。
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また別のゲラが届きました。仕事をお願いしている社外の校正者さんに宅配便で送ります。
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退社。近隣の図書館で予約していた資料を受け取ってから保育園へお迎えに。
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子供が寝た後は、雑誌や新聞を読んだり、テレビやYouTubeを観たりして、新しい言葉を摂取します。
INTERVIEW
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- Q5 1週間のだいたいの流れ
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決まっているのはゲラを編集者に返す日だけ。それまでにゲラを仕上げられれば、時間の使い方は自由です。在宅勤務や休暇も自分の判断で。とはいえ、同時に何冊か担当するのが常なので、カレンダーとのにらめっこは必至です。
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- Q6 オフの日の過ごし方
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近頃はもっぱら息子の虫とりに付き合って虫かごを運んでいます。辞書好きの友人たちと共同で借りている書庫兼たまり場に足を運んで、言葉についてあれこれ語り合うのも、何物にも代えがたい貴重な時間です。
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- Q7 今、おすすめの作品
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『近現代日本語の「誤用」と言語規範意識の研究』/新野直哉(ひつじ書房)「誤用」とされる意味・用法にも色々ありますが、好き嫌いだけを理由に「言葉咎め」はしたくないものです。
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ウソをつかない! 怪しい情報に踊らされない! あとは何をやってもいいと思います。自分を信じましょう。
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出版前に文字や内容を確認し、誤りや疑問点を指摘することで、講談社の雑誌や本の信頼性を高めます。
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