誤字脱字から内容まで
刊行物すべてと対峙!
- 校 閲
- 校 閲
森田 薫MORITA KAORU
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- 職種
- 技 術 -支える-
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- 所属部署
- 校閲第一部
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- 社歴
- 校閲第二部→校閲第一部
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- 入社年度
- 2016年入社
森田 薫MORITA KAORU
都心から離れたのんびりしたキャンパスで寮生活を送りました。授業に追われるかたわらで音楽サークルを掛け持ちし、3年生の時には1年間イギリスに留学しました。この海外生活はいい経験になりました。
本に関わる仕事をしたいと思っていましたが、他社で校閲に携わる大学の先輩に話を聞く機会があり、「校閲」の存在を知りました。調べてみると、講談社には日本でも有数の規模の校閲部があったので、チャレンジのつもりで受けてみました。面接で私の卒論の話を一番聞いてくれたのが講談社でしたね。
出版社の人に共通していますが、みんな興味の幅が広くて、よい意味で気が多いです。また会社全体として、「他社とは違うわが道を行く」という気風を感じます。もしかすると、会社の立地が寄与しているのかもしれません。
出版前の本や雑誌の誤字脱字や内容の間違い、問題点などを確認する仕事をしています。編集部から受け取った校正用の試し刷り(「ゲラ」と呼びます)を読み、複数の資料にあたりながら赤字(修正)を入れ、編集部に戻します。紙のゲラではなく、iPadを介してPDFのゲラがやり取りされる場合も多くなりました。講談社はマンガ、週刊誌、文芸誌など刊行物の種類が多いので、仕事の幅も広いです。現在私は「おともだち」という幼児向け雑誌を担当していますが、読者対象は小学校低学年までの子供たちです。文字数が少ないので校閲作業は一見簡単そうに思えますが、見るべきポイントは本当に多岐にわたります。
幼児誌の校閲の一例です。左のゲラ(修正前)では、メインキャラクターが手をあげて横断歩道を渡っています。一見何の問題もなさそうですが、走っている車の向きにご注目ください。この絵柄だと、メインキャラクターは通り過ぎた車に手をあげていることになってしまいます。右のゲラ(修正後)の向きでないと、おかしいですよね。また、左の横断歩道は「はしご」模様になっていますが、現在では右のように横線のみの模様に変わっています。どちらもゲラの段階で気づいて事なきを得ました。
このように、幼児誌や児童向けの校閲では、文字に限らず、誌面全体を目を皿のようにして見る必要があります。読者である子供たちはこのような細かい絵柄の違いにもとても敏感なので、気が抜けません。
出社。前日夜~当日朝に来たゲラを確認し、フリーランスの校閲者にゲラを差配します。
お昼休憩。 会社の近くの護国寺の境内。社食で食べることも多いですが、季節のいい時には外で好きなパンを買って食べます。校閲者は基本的に座りっぱなしの作業なので、昼食時は意識的に歩くようにしています。
ゲラ読み再開。フリーランスの校閲者に次のゲラを渡しつつ、午前中に渡したゲラが戻ってくるので、目を通します。 ふろくページは、山折り・谷折りがあっているかなど、実際に組み立てながら確認します。
同じチームの先輩と一緒に編集部へ。担当雑誌の編集者と次の企画の進行日程について打ち合わせ。その後、自席に戻ってゲラ読み。
退社。17時過ぎに印刷会社からゲラが入った封筒が届きますが、これは明日の分。差配の計画をしてから帰ります。
幼児誌と関連の単行本も担当しているので、幼児誌本誌の締め切り(「校了」といいます)が近い月末は、さまざまな大きさ、材質のゲラが飛び交います。反対に忙しくない時期は、出社・在宅を自由に選択しながら過ごせます。
社会人1年目からバロックヴァイオリンのレッスンを始めて7年ほど経ちました。練習中は自分の世界に没頭できてリフレッシュになります。ほかには鉄道が好きなので、週末乗ったことのない路線に乗り鉄に行ったりもします!
『失われた時を求めて』/マルセル・プルースト 鈴木道彦訳(集英社)
全13巻、6000ページ以上の長大な小説です。退屈で投げ出したいと思ったことも何度かありましたが、独特の文章の美しさと人物描写の面白さに惹かれて最後までたどり着きました。読み終わったあとの満足感は他に代えがたいと思います。
技術
校閲
校閲
出版前に文字や内容を確認し、誤りや疑問点を指摘することで、講談社の雑誌や本の信頼性を高めます。