ゼロから紡ぐ「誰かの大切な1冊」のために

關 晴奈HARUNA SEKI

  • 編集
  • 文芸・ライトノベル

ゼロから紡ぐ「誰かの大切な1冊」のために

關 晴奈HARUNA SEKI

  • 編集
  • 文芸・ライトノベル
  • 職 種
    編 集 -つくる-
  • 所属部署
    文芸第三出版部
  • 社 歴
    文芸第三出版部
  • 入社年度
    2020年入社

INTERVIEW 01

  1. Q1 学生時代はどんなことをしていましたか?

    高校生まで部活と勉強に追われて忙しかったので、大学生のうちはとにかく自分の気の赴くままに過ごそう! と決めていました。ふらっと1人で旅行に行ったり、一日中映画館にいたり、様々なことをしてみた結果、少し遠ざかっていた小説の魅力にもう一度気がつけたように思います。

  2. Q2 どうして講談社を選びましたか?

    何冊もの小説に心を救われたので、自分と同世代の方々にもっと小説の魅力を知ってもらいたいと思い、出版業界を志望しました。その中でも、講談社は小説を届けるために幅広い方法を検討していると感じたことが大きいです。

  3. Q3 講談社はどんな会社だと思いますか?

    尊敬できる人ばかりの会社です。担当の作家さんに対してはもちろん同僚やあらゆる他者に対して、自分がどのように動いたら相手が仕事をしやすいか、相手の立場に立って想像して行動できる人ばかりで、勉強の毎日です。

  4. Q4 今、どんな仕事をしていますか?

    作家さんと、どのような小説を書いていただくかをゼロから一緒に考えます。打ち合わせでまとまったアイディアや構成をもとに原稿を執筆していただき、その後も改稿した方が良さそうな箇所を相談し、何度かやりとりを重ねます。入社前に想像していたよりもかなり作品作りに携わらせてもらえるので、責任とやりがいを感じます。
    原稿が「よし!」という段階に入ったら、今度はデザイナーさんにご依頼して、カバーや帯などのデザインに取り掛かります。どのような装丁にするのが良いか、ターゲット層や小説の特性などを加味してデザイナーさんと検討します。

『十戒』の色校。2022年度のミステリ界を震撼させた『方舟』の著者・夕木春央さんの新作です。『方舟』とシリーズ感が出ないように、でも統一感は出るように、という難しい依頼にデザイナーさんが応えてくださいました。

一番印象に残っている仕事若い世代の読者に向けた、
新しいかたちの物語作り

当時現役の学生だった真下みことさん、青羽悠さんに、大学生や高校生が主人公の連作短編集『茜さす日に噓を隠して』『青く滲んだ月の行方』を執筆していただきました。各話の主人公は恋愛や就活、将来について悩む等身大の若者で、同世代ならば思わず自分ごととして読み、感情移入してしまう作品が完成しました。

当時私は入社2年目で、同じ20代の作家さんおふたりと、同世代に向けた小説作りができた貴重な機会だったと思います。また作品は、エイベックスさんと一緒に小説各話の楽曲とMVを制作し、小説の枠組みにとらわれずに、物語を音楽で届ける試みも行いました。
エンタメが多様化する時代、もっとたくさんの方に小説の魅力を届けるためにはどうしたら良いか、日々検討しています。

『茜』『青』は同じ世界を舞台にした連作短編集なので、書籍デザインは2作並べると繋がるようにしていただきました。

とある1日の働き方

  • 原稿や課題の書籍を読む。

  • メールチェック。

  • 昼食。

  • 出社・デスクに届いている色校のチェック。

  • ゲラ作業。

    初校ゲラ(下)と再校ゲラ(上)。原稿は作家さんから手離れした後も、校閲チェックや作家さんのチェックを何度も重ねた上で刊行となります。
  • 作家さんと新作について打ち合わせ。

    これから執筆予定の小説について打ち合わせ。お互いの近況についても多くお話をし合い、そちらに花が咲くことも……!
  • メールチェックや事務作業。

  • 他社の文芸編集者の同期と近況について話しながら夕食。

INTERVIEW 02

  1. Q5 1週間のだいたいの流れ

    毎日決まった時間に打ち合わせなどがあるわけではないので、ルーティーンワークは無く、上記もとある一日のスケジュールです。
    担当作の刊行が近い時期にはゲラ作業に時間をかけたり、新人賞の選考の時期には作品を読むことに時間を費やしたり、自分の手元の状況などによっても変わります。

  2. Q6 オフの日の過ごし方

    学生の頃からアイドルのライブに行くのが好きで、舞台で歌って踊るキラキラ眩しいアイドルを見て、感動をもらっています。社会人になってからは、あえて東京ではない会場のライブのチケットを取って、土日を使って遠征しています。

    ライブ後のお酒と食事ほど美味しいものは無い! ライブに参戦しがてら観光もできて、これぞ大人の醍醐味‼
  3. Q7 今、おすすめの作品

    『ここは退屈迎えに来て』/山内マリコ  (幻冬舎)描かれる登場人物たちがあまりにも「当時の私」で、こんなにも小説が自分の気持ちを代弁してくれるとは、と感動した、就活当時も今も変わらず大切な、私の初心の作品です。

  4. MESSAGE for YOU〜就職活動中の方へ〜

    就活は、自分とはどういう人間かを考える大切な機会だったと今では思えます。最後には少しだけ、自分の短所も認めて引き受けられた気がしました。ESや面接で、あなたの「面白い」「好き」という気持ちを悔いなく伝えられるよう、頑張ってください!

WHAT’s MY JOB?講談社のお仕事図鑑

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「群像」「小説現代」などの文芸誌のほか、講談社文庫、講談社文芸文庫、講談社ノベルス、講談社BOX、講談社ラノベ文庫などの文芸全般の単行本の編集を行います。